
RESEARCH #3
心臓の動き(心拍数)を観察してみた

心拍数の変化
心拍数は自分が考えているように変化するものなのか。
この研究では、運動、高地など消費する酸素が多くなったり、供給される酸素がすくなくなったとき心拍数が上がることを確かめる目的ではじめましたが、息を止めることで酸素の供給を断ってみても、心拍数が上がっていない!意外な発見がありました。
はじめに…
2003年の夏休み自由研究
当時2年生の次男坊・モグのクラスに混ぜてもらって、展示してもらいまいした。
当初、担任の先生に「前例がない、他の保護者から文句が来たらどうする」と断られてしまいましたが、家内が『責任を取る』と答えてようやく体育館に展示させてもらったようです。
小学校からの反応は一般に冷たいのです。
研究結果 2003年2年4組 米村重信

心ぞうの動き(心拍数)の変化
心ぞうは、体全体に血を送るポンプ。
血には空気中の酸素や食べ物から取った栄養がふくまれている。
体の中の酸素が足りなくなると、心ぞうの動きはどうなるか。
手首に指を当てて心臓の動きをはかってみたぞ。6秒間に血管が何回脈を打つかを数えて、10倍して1分あたりの心拍数にした。

①体の中の酸素を足りなくしよう。
健康的に運動だ。運動によって血の中の酸素が使われへっていく。
データ(心拍数)
すわっているとき 50回/分
立っているとき 60回/分
軽い運動(準備体操) 66回/分
普通の運動(ジョギング30分)120回/分
強い運動(ダッシュ800m6回) 192回/分
その後1時間休憩 60回/分

※ はげしい運動をするほど心ぞうははやく動く。これはあたりまえだと思うね。
②すいこむ酸素を少なくしよう。
山へ行こう。山の上は空気がうすくて酸素も少ないはずだ。
データ(心拍数)
ポートアイランド(標高ほぼ0m)
54回/分
六甲山(約800mあたり)
54回/分

※ あれ!山に登って酸素が少ないはずなんだが、ぜんぜん心ぞうの動きが変わらないぞ。六甲山は低い山だからかな。
③それなら息を止めてみよう。
苦しくなるし、酸素が足りなくなるのはまちがいない。
データ(息を止めてからの時間と心拍数)
10秒 60回/分 20秒 54回/分
30秒 54回/分 40秒 54回/分
50秒 60回/分 60秒 60回/分

※ あれれ!息はどんどん苦しくなるのに、心ぞうははやく動くどころか、おそく動くくらいだ。
体は酸素不足ではないのかな?でも息を止めるとくるしいがなぁ。
④ええい!息を止めてはげしい運動だ(よい子はマネしないように)
1秒に1回ペースでスクワットだ。
データ(心拍数)
運動をする前 60回/分
息をしたままスクワット30秒 90回/分
息を止めてスクワット30秒
:苦しすぎる!途中で息をしてしまった。
息を止めてスクワット20秒 102回/分

※ 息を止めても、運動をすれば心ぞうは はやく動く。苦しいけどなっとく。
考えましょう
1: 運動をすると体の中の酸素が足りなくなるので心ぞうがはやく動いて酸素をどんどん運ぶ。
これはよくわかる。運動をやめて休めば心ぞうのうごきも元にもどる。これもわかる。
2: 息を止めると、1分間でもとても苦しくなるのに、心ぞうははやく動いたりしない。
う~ん。これは少し難しい。息を止めていても運動によって心ぞうがはやく動くのは同じだった。運動さえしなければ息を止めても、1分間くらいでは体の中の酸素は足りなくなっていないのだろう。それでも息が苦しいということは、息が苦しいと感じているところと、体の中の酸素不足を感じて心ぞうにはやく動くように命令しているところは別だというところだろう。
3: では、どうして息を止めると心ぞうはかえってゆっくり動くのだろう。
野生動物が息を止めるのは水中にもぐる時かな。水の中では心ぞうをゆっくり動かして、酸素を少しずつ使ってできるだけ長く息がつづくように体は考えているのかな。